この記事では自動車業界で使用される用語をアルファベット順・50音順にまとめています。
順次更新をしていきますので、辞書代わりに参照していただけると幸いです。
- ABS
- AEBS
- ACC
- ADAS
- AFS
- BEV
- BOM
- BCP
- CASE
- CAFE規制
- CFRP
- CKD
- DMS
- EDI
- ELV指令
- FCEV
- HEV
- IATF16949
- ISO9001
- ISO14001
- ISO26262
- JIS
- LiDAR
- LOI
- MaaS
- NCAP
- OTA
- PHEV
- ppm
- QC7つ道具
- Reach規制
- RFQ
- RoHS指令
- TPMS
- WP29
- ZEV
- インバーター
- エアロパーツ
- オルタネーター
- 回生
- 価格改定
- 可変圧縮比エンジン
- ギア
- 幾何公差
- 原価企画
- 高炉材
- コンソールボックス
- コンフリクトミネラル
- サスペンション
- シフトバイワイヤ
- ショックアブソーバー
- 新QC7つ道具
- ステアリング
- ステアバイワイヤ
- スライド納入
- 寸法公差
- 鍛造
- 鋳造
- 電着塗装
- 電動油圧ブレーキ
- 電炉材
- トランスミッション
- スパークプラグ
- ミルクラン
- モノコックボディ
- パワーコントロールユニット
- パワートレイン
- プラットフォーム
- プレス
- フレームボディ
- ラジエーター
- ランダウン
- リーンバーンエンジン
- 溶接
- ワイヤーハーネス
ABS
Anti-lock Braking Systemの略。急ブレーキをかけた際に、タイヤのロック(スリップに繋がる)を防ぐ役割がある。
AEBS
Advanced Emergency Braking System(衝突被害軽減ブレーキ)の略。センサーで前方の障害物や車両を検知した際に、自動でブレーキをかけて衝突を回避または被害を軽減する役割がある。
ACC
Adaptive Cruise Control(車間距離制御装置)の略。アクセルやブレーキを自動でコントロールし、車間距離を一定に保つシステム。
ADAS
Advanced Driver Assistance System(先進運転支援システム)の略。ABES(衝突被害軽減ブレーキ)や、車線逸脱警報などがある。
AFS
Adaptive Front-lighting Systemの略。カーブや交差点に差し掛かった際、ハンドル操作と連動して進行方向を照らす、視界支援システムの1つ。
BEV
Battery Electric Vehicle(電気自動車)の略。外部からの給電のみで走行するため、排ガス規制の観点から注目を集めている。従来の自動車メーカーではなく、TeslaやBYDなど新興の自動車メーカーが大きく台頭してきている。
BOM
Bill Of Material(部品表もしくは部品構成表)の略。車種ごとにどの部品が使用されているかをまとめたデータベースのこと。調達計画や原価計画に使用される。
BCP
Business Continuity Plan(事業継続計画)の略。紛争や災害、サプライヤーの倒産など有事の際に備えて、対策案を整備したもの。
CASE
Connected(繋がる)・Autonomous(自動運転)・Shared&service(シェアリングサービス)・Electric(電動化)の頭文字を取った造語。自動車業界の変革を表す言葉として広く使用されている。
CAFE規制
Corporate Average Fuel Efficiency(企業別平均燃費基準)に基づき、環境に配慮した車の生産を促進する欧州の規制の1つ。車種別ではなくメーカー別で判断されるため、特定の車種が燃費基準を満たしていなくても、他の低燃費の車種でカバーすることができる。基準を超過したメーカーは罰金が課せられる。
CFRP
Carbon Fiber Reinforced Plastics(炭素繊維強化プラスチック)の略。軽さと強度を兼ね備えた素材のため、自動車のフードやルーフなどに採用されている。
CKD
部品単位で輸出し、現地でボデー溶接・塗装・組立を行うこと。
DMS
Driver Monitoring System(ドライバー監視システム)の略。車内カメラによってドライバーの運転状態を監視し、わき見運転や居眠り運転などの危険運転防止をすることができる。
EDI
Electronic Data Interchange(電子データ交換)の略。自動車メーカーとサプライヤー間での受発注に使用されているシステムの総称。受信したデータをもとにかんばんが発行され、サプライヤーは表記された品番・数量・納期をもとに出荷作業を行う。
ELV指令
End-of-Life Vehicles(使用済み自動車) 指令の略。廃棄自動車のリサイクルを促進するために定められたEUの指令のこと。
FCEV
Fuel Cell Electric Vehicle(燃料電池自動車)の略。水素タンクに貯められた「水素」と大気中の「酸素」を、燃料電池で反応させてエネルギーを取り出す仕組み。水のみを排出することから、究極のエコカーとも呼ばれる。
HEV
Hybrid Electric Vehicle(ハイブリッド自動車)の略。主動力のエンジンとサブ動力のモーターを備え、走行シーンによって動力源を切り替えることで、燃費の良い走行が可能。1997年に世界初の量産型HEVであるプリウスが発売されたことで、爆発的に普及した。
IATF16949
自動車に特化した品質向上マネジメントシステム規格。
ISO9001
サービスや製品の質を保ち、顧客満足度を高めるための国際規格。
ISO14001
企業活動において、環境への負荷を最小限に抑える努力義務が定められた国際規格。
ISO26262
自動車に搭載する電子システムについて、安全・機能の観点から定められた国際規格。
JIS
Japanese Industrial Standards(日本産業規格)の略。
LiDAR
レーザー光を使用して周辺の物体を検知する、リモートセンシング技術の1つのこと。
LOI
Letter Of Intent(基本合意書)の略。サプライヤーが正式に採用されたことを示す書類で、これを受けてサプライヤーは量産に向けた生産準備を行う。
MaaS
Mobility as a Service(サービスとしての移動)の略。鉄道・バス・タクシーなど、あらゆる移動手段を1つのサービスに統合することで、より利便性の高い移動を実現する仕組みのこと。
NCAP
New Car Assessment Program(新車アセスメントプログラム)の略。自動車の安全性能を評価する国際的な取り組みで、消費者が新車購入時に安全性を考慮できるよう、客観的な評価結果を公開している。ヨーロッパやアメリカなどさまざまな国・地域で行われている。
OTA
Over The Airの略。無線を通じて車載ソフトウェアの自動更新ができる仕組みのこと。
PHEV
Plug-in Hybrid Electric Vehicle(プラグインハイブリッド自動車)の略。ガソリンタンクと外部からの給電バッテリーの2つを搭載しており、外部からの充電した電力のみでも走行が可能。
ppm
perts per million(100万分の1)の略。主に品質不具合の発生率を表す際に使われる単位。
QC7つ道具
QCサークルが、問題の把握から改善までの活動を行う各段階において使用される手法のこと。グラフ・管理図・ヒストグラム・チェックシート・パレート図・特性要因図・散布図の7つを指す。現在は「新QC7つ道具」と呼ばれる、別の7つのツールも存在する。
Reach規制
RFQ
Request For Quotation(見積依頼)の略。
RoHS指令
Restriction of Hazardous Substances Directive(特定有害物質使用制限指令)の略。電気・電子機器への特定有害物質の使用制限を定めたEUの指令のこと。自動車そのものは適用対象外だが、カーナビやセンサー、ワイヤーハーネスなどの電気・電子機器は対象に含まれるため、業界として対策が必要になっている。
TPMS
Tire Pressure Monitoring Systemの略。タイヤ空気圧センサーをタイヤに取り付け、低空気圧になった場合にドライバーに異常を知らせることができるシステム。
WP29
自動車基準調和世界フォーラムという、自動車の安全基準や環境基準の国際的調和などを目的に1952年に設立された組織のこと。
ZEV
Zero Emission Vehicleの略。PHEV・BEV・FCEVのような排気ガスを出さない車を指す。
インバーター
バッテリーからの直流電力を交流電力に変換し、モーターを駆動させるための装置。トランスミッション・モーター・インバーターを合わせたユニットは「e-Axle」と呼ばれる。
エアロパーツ
スポーツカーなどの車のボディ外部に取り付けられている、空気力学を利用して走行安定性や操縦性の向上、空気抵抗の低減などの効果を狙った部品のこと。
オルタネーター
エンジンのエネルギーを使用する発電機で、バッテリーに充電された電力はエンジンの始動やウィンドウの開閉に使われる。
回生
モーターの回転数が高い状態から減速した際に発生する電力のこと。EVでは回生を活用することで、航続距離の伸長が期待できる。
価格改定
定期的に実施される、自動車メーカーからサプライヤーへの部品価格の引き下げ依頼のこと。従来は原価低減活動の一環として行われていたが、現在では材料価格や労務費の高騰を背景に、サプライヤーから値上げ交渉をされるケースが多い。
可変圧縮比エンジン
日産の開発したエンジン。燃費とエンジン出力をコントロールする圧縮比というパラメータを自由に切り替えることで、低燃費・高出力が期待できる。
ギア
トランスミッションを構成する歯車のこと。ギアの組み合わせを変えることで、エンジンの回転数やトルクをコントロールすることができる。
幾何公差
寸法誤差を許容する寸法公差とは異なり、「形状」に対して許容される誤差の範囲のこと。平行度や同軸度などが挙げられる。
原価企画
目標原価を達成するための、開発・設計段階での原価低減活動のこと。
高炉材
鉄鉱石を高炉で融解して作られた鋼材のこと。
コンソールボックス
運転席と助手席の間に設けられたドリンクホルダー・小物入れのこと。
コンフリクトミネラル
サスペンション
路面の凹凸からの振動を和らげる役割を持つ、タイヤの上に搭載されている部品のこと。スプリングとショックアブソーバーから成る。
シフトバイワイヤ
シフトレバーでの操作を、電気信号でトランスミッションに伝えるシステムのこと。
ショックアブソーバー
走行時の衝撃を吸収し、振動を軽減させるための部品のこと。ダンパーとも呼ばれる。KYBが世界シェアトップクラス。
新QC7つ道具
数値化が難しい定性的なデータを分析するための手法。親和図法・連関図法・系統図法・マトリックス図法・アローダイアグラム・PDPC法・マトリックスデータ解析法の7つを指す。
ステアリング
ハンドルの回転をタイヤに伝える部品のこと。
ステアバイワイヤ
ハンドルの回転を、電気信号でタイヤに伝えるステアリングシステムのこと。
スライド納入
自動車メーカーのラインが設備トラブルなどで停止した際に、当該工場での部品の在庫過多を避けるため、サプライヤーに対して納入便を後ろ倒しにしてもらうこと。
寸法公差
部品の設計寸法に対して許容される誤差の範囲のこと。図面上では「±0.2」といった表記がされる。
鍛造
金属材料を固体のまま圧力をかけて塑性変形させる加工方法のこと。高温の条件下で行う熱間鍛造と、常温で行う冷間鍛造がある。
鋳造
溶解した金属素材を金型に流し込み、部品を形成する加工方法のこと。アルミ部品で使用されることが多い。
電着塗装
塗装したい部品を水溶性塗料の中に漬け、電気を流すことで塗料を付着させる、表面処理方法の1つ。
電動油圧ブレーキ
ブレーキに必要な油圧を、モーターで生み出すシステムのこと。HEVを中心に搭載が進んでいる。
電炉材
鉄スクラップを電気炉で融解して作られた鋼材のこと。
トランスミッション
モーターの回転数を適正な回転数まで下げる装置で、変速機とも呼ぶ。トランスミッション・モーター・インバーターを合わせたユニットは「e-Axle」と呼ばれる。
スパークプラグ
ガソリンを燃焼させるための着火の役割を果たす部品で、点火プラグとも呼ばれる。
ミルクラン
自動車メーカーが自社便を設定し、各サプライヤーを巡回して部品を引き取りにくる納入方法のこと。
モノコックボディ
車体のフレームを1つの殻のように構成したボディ構造のこと。フレームとボディが一体化しており、軽量で室内空間を広く取れるというメリットがあるため、現在ではオフロードカーを除くほとんどの車種に適用されている。
パワーコントロールユニット
インバーター・昇降圧コンバーター・DC-DCコンバーターを組み合わせたユニットのこと。モーターの駆動やバッテリーへの電力回生を最適に制御する役割を持つ。
パワートレイン
エンジンやモーターの動力をタイヤの回転に繋げるための、トランスミッション・プロペラシャフト・ディファレンシャルギア・ドライブシャフトなどをまとめた駆動系部品全体のこと。
プラットフォーム
自動車のフレームと、パワートレインユニット・サスペンション・ステアリング等をまとめたもの。車種ごとに共通のプラットフォームを採用することで、開発コストや製造コストの削減が可能になる。トヨタではTNGAというプラットフォームが開発されている。
プレス
板状の鋼材を、金型と金型で挟むようにして塑性変形をさせる加工方法のこと。
フレームボディ
ハシゴ状のフレームの上にエンジンやシートなどを搭載するボディ構造のこと。モノコックボディと比較すると、頑丈だが重量が重く燃費が悪いというデメリットがあるため、現在ではランドクルーザーのようなオフロードSUVにのみ使用されている。
ラジエーター
フロントのナンバープレートの裏付近に取付けられている、車のエンジンを冷却するための部品の1つ。車の走行時に受ける風によりラジエーター内の冷却水が冷やされ、その冷却水がエンジン周りの配管を循環することで、エンジンの温度を下げることができる。
ランダウン
グローバルで見た部品の総在庫量のことで、国内・海外拠点での在庫だけではなく、現在輸送中のものも全て含めた在庫を指す。
リーンバーンエンジン
マツダの開発したエンジン。通常より少ないガソリンの量で運動エネルギーを生み出すことができる。
溶接
金属部品同士の接合方法の1つで、高電圧を使用するスポット溶接や、レーザー照射を使用するレーザー溶接などがある。
ワイヤーハーネス
電気信号や電力を車内の様々な部品に伝達する電線状の部品のこと。矢崎総業や住友電工(住友電装)がトップシェア。