トヨタ 用語辞典

用語集

この記事ではトヨタで使用される用語をアルファベット順・50音順にまとめています。
順次更新をしていきますので、辞書代わりに参照していただけると幸いです。

ABS

Anti-lock Braking Systemの略。急ブレーキをかけた際に、タイヤのロック(スリップに繋がる)を防ぐ役割がある。

AEBS

Advanced Emergency Braking System(衝突被害軽減ブレーキ)の略。センサーで前方の障害物や車両を検知した際に、自動でブレーキをかけて衝突を回避または被害を軽減する役割がある。

BCP

Business Continuity Plan(事業継続計画)の略。紛争や災害、サプライヤーの倒産など有事の際に備えて、対策案を整備したもの。

BOM

Bill Of Material(部品表もしくは部品構成表)の略。車種ごとにどの部品が使用されているかをまとめたデータベースのこと。調達計画や原価計画に使用される。

CKD

Complete Knock Downの略。部品単位で輸出し、海外現地でボデー溶接・塗装・組立を行うこと。

e-Axle

BEVなどのモーターを主動力とする車が走るために必要な主要部品を1つにまとめたもの。主にギア、モーター、インバーターといった部品から構成される。トヨタ系ではアイシンがメインサプライヤー。

ECI

Engineering Change Instruction(設変切替依頼書)の略。サプライヤーを含むトヨタ社内外の関係部署に、設計変更の内容を通知するための帳票のこと。

IATF16949

自動車に特化した品質向上マネジメントシステム規格。

IMV

Innovative International Multipurpose Vehicleの略。主にアジア圏で販売される、プラットフォームが共通化された車種を指す。

ISO9001

サービスや製品の質を保ち、顧客満足度を高めるための国際規格。

ISO14001

企業活動において、環境への負荷を最小限に抑える努力義務が定められた国際規格。

L/O

Line Offの略。製品や車種の立ち上げタイミングのことで、Start Of Productionを略してSOPと呼ぶこともある。

ppm

perts per million(100万分の1)の略。主に品質不具合の発生率を表す際に使われる単位。

QCサークル

Quality Control サークルの略。改善活動を自主的に進めるためのサークルで、4~5人ほどのメンバーで構成される。

QC7つ道具

QCサークルが、問題の把握から改善までの活動を行う各段階において使用される手法のこと。グラフ・管理図・ヒストグラム・チェックシート・パレート図・特性要因図・散布図の7つを指す。現在は「新QC7つ道具」と呼ばれる、別の7つのツールも存在する。

SKD

Semi Knock Downの略。日本でボデー溶接・塗装までを行い、海外現地で組立を行うこと。

TPS

Toyoya Production System(トヨタ生産方式)の略。「自働化」と「ジャストインタイム」の2本柱から成る。

VA

Value Analysis(価値分析)の略。図面や仕様書の変更、製造方法の効率化などを行い、コストを低減する活動のこと。号口生産以降に行われる。

VE

Value Engineering(価値工学)の略。図面や仕様書の変更、製造方法の効率化などを行い、コストを低減する組織的な活動のこと。設計開発段階に行われる。

ZEV

Zero Emission Vehicleの略。PHEV・BEV・FCEVのような排気ガスを出さない車を指す。

アンドン

異常が発生した際、即時に関係者に知らせることができるようにライン上に設置された電光表示盤のこと。

可動率

可動率が100%の場合、設備を動かしたいときに、いつでも動かせる状態を指す。ジャストインタイムの観点からは、可動率は常に100%が理想。

稼働率

ある設備のMAXの生産能力を100%とした際に、どれだけ需要があるかを表す割合。

通い箱

トヨタとサプライヤー間で部品や製品の輸送に使用される、プラスチック製の丈夫な容器のこと。

かんばん

後工程が前工程へ部品を発注する際に使用する、長方形の紙のこと。大きく「仕掛けかんばん」と「引取りかんばん」に分けられる。

かんばんサイクル

製品の納入頻度・納入タイミングを「X-X-X」で表したもので、かんばん係数や納入サイクルとも呼ばれる。例えば「1-3-2」であれば、1日に3回の納入便があり、かんばんが引き取られてから2便遅れのタイミングでその製品が納入される。

号口

量産すること、もしくは市場で販売中の量産車のこと。

号試

号口試作のこと。設計開発が終わったフェーズにおいて、量産ラインと同一工程で試作車を造ること。「1A」とも呼ぶ。

工程変更

生産工程が変更になることで、仕入先変更、工場変更、ライン変更などのパターンがある。

5S

整理・整頓・清潔・清掃・躾(しつけ)のこと。

サイクルタイム

1つの製品の工程開始から終了までの1サイクルにおいて、実際にかかる時間のこと。「サイクルタイム=稼働時間/実際の生産数」で求められる。

自働化

製造工程で問題が発生した際に、機械が自動で停止する仕組みのこと。人間の知恵を利用して改善が行われることから「自動化」ではなく「自働化」と呼ぶ。

ジャストインタイム

必要なものを必要なときに必要な分だけ生産するという考え。

正式図

号試・号口生産を目的とした図面のこと。トヨタ設計部署で作成したトヨタ図と、サプライヤーが作成しトヨタ設計部署が承認した承認図がある。

設計変更

図面に何かしらの変更を加えることで、品番そのものが変更になるメジャー設変と、品番の末尾に付与されている符号のみが変更になるマイナー設変の2つに分けられる。法規制への対応や、公差の緩和などのために行われる。

タクトタイム

1つの製品の工程開始から終了までの1サイクルを、どれだけの時間で終わらせなければならないかという目標時間のこと。「タクトタイム=稼働時間/必要生産数」で求められる。

多台持ち

製造ラインにおいて、類似性のある設備を近くに配置し、1人の作業者が複数設備を受け持つこと。

段替え

部品の加工が終わった際に、次の部品を製造するために金型や治具、刀具を交換する作業のこと。段取り替えとも呼ぶ。

特定調達

社外から部品を購入すること、またはその際に使用されるシステムのこと。略して特調とも呼ばれる。

なぜなぜ分析

問題が発生した際に、問題の真因に迫るために「なぜ?」という自問自答を繰り返すという手法。

7つのムダ

造りすぎのムダ・手待ちのムダ・運搬のムダ・加工のムダ・在庫のムダ・動作のムダ・手直しのムダのこと。

日調品

海外工場での製造のために、日本から調達する部品のこと。一方で現地で調達する部品のことは現調品と呼ばれる。

年計

年間計画の略。今後2-3年間の生産計画をまとめたもので、これに基づきサプライヤーは生産能力の増強などを行う。

◯A

英語のAssemblyから取った、組立工程の略称。

◯C

英語のCastingから取った、鋳造工程の略称。

◯F

英語のForgingから取った、鍛造工程の略称。

◯K

日本語の組み付け(Kumitsuke)から取った、機械組付工程の略称。

◯M

英語のMachiningから取った、機械加工工程の略称。

◯P

英語のPressから取った、鋼板のプレス工程の略称。

◯R

英語のResinから取った、成形樹脂工程の略称。

◯T

日本語の塗装(Tosou)から取った、塗装工程の略称。

◯W

英語のWeldingから取った、溶接工程の略称。

◯カ

改良の略称。既存車種において、不具合対策や法規制対応のために行われる軽微な改良を指す。マイナーチェンジよりもさらに小さな変更である。

◯マ

マイナーチェンジの略称。既存車種において、商品力を強化する目的でボデー・エンジン・トランスミッションなどの一部に変更を加えることを指す。

◯モ

モデルチェンジの略称。外観や室内のデザイン、ボデー構造などが全面的に変更されることが多い。

マルチパスウェイ

HEV・PHEV・BEV・FCEVなど複数のバリエーションの車種をラインナップしていくという、トヨタが掲げる販売戦略のこと。

標準

現時点で最善とされる各作業のやり方のことで、作業者はこれに基づき仕事を行う。例として作業要領書などが挙げられる。

ポカヨケ

品質不良や設備故障を防止するために設定された、異常が発生した際にラインを止めたり不良品をはじいたりするシステムのこと。

補給

修理用のパーツのことで、サービスパーツとも呼ぶ。号口生産と並行して流動する号口補給と、号口生産が終了してからアフターケア用のみで流動する旧型補給の2パターンがある。旧型補給としての製造義務は10〜15年続くため、サプライヤーにおいては金型を長期間保管しておかなければならないという問題がある。

横展

横展開の略。成功事例などを他製品・他部署へ水平方向に伝えて、同じように実施することで、効率的な改善を行うことができる。

4M

製造工程において品質のばらつきを生む大きな原因となる、作業者(Man)・設備(Machine)・材料(Material)・作業方法(Method)のこと。測定(Measurement)を加えて5Mと呼ぶ場合もある。

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